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イラク戦争開戦から10年 サマワの今

2013年3月21日 9:04

 イラク戦争の開戦から20日で10年となった。日本が、復興支援として史上初めて「事実上の戦闘地域」に自衛隊を派遣したイラク南部・サマワの今を岩崎建記者が取材した。

 陸上自衛隊が04年から約2年半にわたって駐留したサマワ。かつての宿営地はイラク軍の訓練施設として使用されていた。自衛隊が残していった設備が放置され、かつての面影はなかった。

 市内を走っていると、日本が寄贈した給水車に出会った。かすかに日の丸が残っている。日本政府は支援の手始めとして給水活動に力を入れた。当時は無料で市民に水を提供していたが、現在は料金を徴収しているという。

 支援が十分に活用されていない現場もあった。ある病院では、日本が提供した医療機器の一部が手つかずのまま倉庫に保管され、ほこりをかぶっていた。

 史上初となる「事実上の戦闘地域」への派遣として世論を二分した自衛隊のサマワ駐留。しかし、9年余りが過ぎた今、その痕跡は極めて薄くなっているのが現状だ。