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2013年10月25日 16:56

“第2のマララさん”女性教育の大切さ訴え

“第2のマララさん”女性教育の大切さ訴え
(c)NNN

 女性教育の大切さを訴えるパキスタン人少女のマララさん。彼女の考えに共感し、“もう一人のマララさん”とも呼ばれる女子大学生が日本を訪れた。

 10月11日は、国連が定めた教育問題など女性の地位向上を願う“国際ガールズ・デー”。日本でも開催されたイベントに参加するために、パキスタンからイルム・ヌールさん(23)という一人の女性がやってきた。会場では、パキスタンの女性教育の現状について講演を行った。首都イスラマバードの大学に通うイルムさんは2011年、国際NGOプラン・ジャパンの教育支援活動に参加。日本の学生らとインターネットを通じて交流をするなど、日本になじみも深く、今回の訪問が実現した。

 初めてパキスタン国外に出たというイルムさん。日本に来て一番驚いたのは、女性が男性の付き添いなしに自由に街を歩き回っていることだったという。日本の街を歩いたイルムさんはこう語る。

 「幸せでした。一瞬一瞬楽しみました。私の国でもこうであればいいのに」

 イルムさんの故郷パキスタンでは、若い女性の識字率は61%と、決して高い数字ではない。国際NGOプラン・ジャパンなどによると、家畜などの面倒を見るために、15歳にも満たない女の子が結婚させられることもよくあるそうだ。イルムさんは会場でこうスピーチした。

 「私の親友サナは、13歳で結婚させられました。彼女は自由に出歩くことを許されておらず、会うことができません」

 パキスタンでは、女性への教育に対する偏見がまだ根強い。2012年10月には、女性教育の大切さを訴え続けた当時15歳のマララ・ユスフザイさんが、武装集団に襲撃された。イルムさんはこの事件に大変ショックを受け、彼女のために祈ったという。同じように女性教育の大切さを訴えていることから“もう一人のマララさん”とも称されるイルムさんにとって、“女の子を含むすべての子供に教育を与えたい”という同じ目標を持つマララさんは、いったいどんな存在なのだろうか。

  「彼女はお手本となる存在です。私を含むパキスタンの多くの女の子に、マララさんは勇気をくれました」

 マララさんと規模は違うけれども、自分にできることを続けていきたいとイルムさんは語る。

 そんなイルムさん。日本滞在中には、マララさんと同じ年代の女性に自分の体験を交えたパキスタンの現状を共有するため、東京都内の女子高を訪れた。実際に日本の女子高生が学んでいる校舎などを見て、改めて日本の女の子たちは恵まれていると感じたとイルムさんは言う。

 「パキスタンでは女の子に教育の機会を与えることは、自由への権利などを与えるとされ、敬遠されています。私の母は生まれてこの方、学校に行ったことはありません。働いても働いても報われない困難な人生を歩んできました。娘には自分よりいい人生を送ってほしいと私を応援してくれます」

 講演でこう語っていたイルムさん。恵まれた環境にいる人たちにこそ、自分と一緒に立ち上がってほしいと願うイルムさんの思いは、日本の少女たちに伝わったのだろうか? その思いを目の当たりにした高校生からは「自分も何かできることがあるんじゃないかと感じさせられました」「私ができることは小さいかもしれませんが、私が調べたことをみんなに伝えたりできると思います」という声を聞くことができた。

 12日間の滞在中、講演や学生との交流を行ったイルムさん。自分の活動に共感してくれる人が数多くいることに勇気づけられたと話す。日本で得たものは?との質問にこう答えてくれた。

 「支援、勇気や、刺激、たくさんのものです。自分への自信もつきました。これまで以上に自分の夢に向かって情熱を燃やすことができそうです」

 イルムさんの夢は、地元で女の子を含むすべての子供を対象にした学校を創設することだ。日本での忘れられない体験を胸に、その夢に向かって前進し続ける。