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“ダライ・ラマ作詞”歌でいじめ根絶を!

2013年11月24日 0:25
“ダライ・ラマ作詞”歌でいじめ根絶を!

 今月、チベット族の精神的支柱であるダライ・ラマ14世が来日した。非暴力の姿勢で平和を訴えてきたダライ・ラマ。その言葉を歌にして、いじめに苦しむ子供たちを力づけようという、あるミュージシャンの取り組みを取材した。

 「過去を変えることは、仏陀にもできない。でも、未来はこれからです。だから、私は若いあなたたちと会えてうれしいのです」-ダライ・ラマは16日、千葉工業大学で日本の学生を前に講演した。

 ダライ・ラマの故郷、チベットは1950年、中国軍の侵攻を受け、中国の領土となった。現在も中国政府による弾圧が続き、暴動や抗議の焼身自殺が相次ぐ中、ダライ・ラマは非暴力での解決を訴えてきた。

 ダライ・ラマ「本当にもう敵は欲しくないと思うなら、手を差し伸べて友達になること。人間同士として、互いにより一層、思いやることです」

 思いやりの大切さを説くダライ・ラマ。その精神を音楽で伝えたいと、アメリカの著名なフォークシンガー、ピーター・ヤーロウ氏が立ち上がった。ヤーロウ氏は、フォークグループ「ピーター、ポール&マリー」のメンバー。「パフ」「花はどこへ行った」などの名曲で、長年、アメリカ国民に愛されてきた。

 ヤーロウ氏は16日、ダライ・ラマが書いた詩に曲をつけた歌「Never Give Up」を披露した。

 「決して諦めないで 苦しくても悲しくても 決して諦めないで 君の明日は見つかるはず」-ヤーロウ氏には、このメッセージを届けたい人たちがいた。

 ヤーロウ氏は15日、東京都の小学校を訪れた。

 ヤーロウ氏「いじめって何かな?」

 児童「大人数で1人をからかったりする」

 ヤーロウ氏の「『仲間外れにされなかったら、学校は楽しいのにな』と思ったことがある人?」との問いかけに、子供たちは次々と手を挙げた。

 「全ての人を愛するんだ 見知らぬ人もみんな 敵であっても愛するんだ みんなを愛するんだ そうすればみんなが味方になる 君の平和の取り組みに」-いじめという問題と向き合っている子供たちに、ヤーロウ氏が歌いかける。「敵にさえ思いやりを」という難しいメッセージだが、歌を通して理解できるという。

 ヤーロウ氏「子供は歌ったとき、感じたんです」

 児童「いじめはいけないことだと思ったし、黒人も白人も皆平等だと思った」

 ダライ・ラマのメッセージは今、歌となり、子供たちの心に届き始めている。