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欧米調査団、クリミアへの立ち入り拒まれる

2014年3月9日 8:51

 ウクライナ南部・クリミアに入ろうとしたOSCE(=ヨーロッパ安全保障協力機構)の調査団が8日、武装集団に威嚇射撃を受け、立ち入りを拒まれた。ロシア編入の是非を問う住民投票を控えたクリミアでは、暫定政権を支援する欧米各国への反発が強まっている。

 ヨーロッパ各国の他、アメリカやロシアなどが加盟するOSCEは、ウクライナ暫定政権の要請で、ロシア軍が事実上掌握しているクリミアの状況を把握するため、ロシアなどを除く28か国の職員からなる調査チームの立ち入りを6日から試みている。しかし、いずれも検問所で武装集団に阻止され、8日には立ち入りを拒否されただけでなく、威嚇射撃も受けたという。ロシア系住民の多いクリミアでは、AP通信など欧米のメディアが武装した男らに相次いで襲われるなど、暫定政権を支援するアメリカやヨーロッパ各国への反発が強まっている。

 一方、ロシア外務省は8日、外務次官とウクライナの駐ロシア大使が両国の問題について「率直な雰囲気」で会談したと発表した。プーチン政権は、ウクライナの暫定政権は非合法との立場をとる一方で、事態の打開へ向け、直接交渉のルートを確保する狙いがあるとみられる。