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あす米中間選挙 立候補者300人近くがおととしの“選挙否定派”…「内向きな米国」世論あおり分断図る動きに歯止めかからず

2022年11月7日 10:46
あす米中間選挙 立候補者300人近くがおととしの“選挙否定派”…「内向きな米国」世論あおり分断図る動きに歯止めかからず

アメリカの中間選挙の投票は、日本時間の8日夜から始まります。今回の選挙には、2020年の大統領選挙の結果を認めない「選挙否定派」の候補者も300人近く立候補していて、バイデン大統領は「民主主義の危機だ」と訴えています。矢岡記者のリポートです。

1年10か月前、大統領就任式で「民主主義は勝利した」と宣言して国民の「団結」を訴えていたバイデン大統領はいま、思い描いた理想とは、ほど遠い現実に直面しています。

バイデン大統領「アメリカの民主主義は攻撃にさらされている。敗北した前大統領が、2020年の選挙結果を受け入れないからだ」

トランプ前大統領「2020年の選挙は正しくなかった。許されることではない。選挙は不正に行われ盗まれた。二度とやらせない、これからだぞ!」

今回の中間選挙、ワシントンポストの調査では、野党・共和党候補のうち、およそ半数の291人が「2020年の大統領選挙の結果は受け入れない」と主張する“選挙否定派”で、このうち171人が「当選する可能性が高い」としています。

こうした候補者の主張は、「選挙の否定」だけではありません。トランプ氏に近いある有力候補は、ウクライナへの支援をめぐり、「共和党のもとではウクライナには1銭も渡さない」と極端な「支援不要論」まで打ち出しています。

「内向きなアメリカ」世論をあおって、分断を図る動きには歯止めがかからず、世界の民主主義を支えるリーダーとしても、覚悟が問われます。

バイデン大統領が掲げた「民主主義を取り戻す戦い」は、振りだしに戻ってしまうのか。中間選挙は、ここホワイトハウスの主を決める2024年の大統領選挙に向けても、極めて重い意味を持ちます。