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【ルポ 米中間選挙】「ポスト・トランプ」最有力候補のデサンティス・フロリダ知事 取材で見えたその「人気」の実態とは?

2022年11月4日 3:35
【ルポ 米中間選挙】「ポスト・トランプ」最有力候補のデサンティス・フロリダ知事 取材で見えたその「人気」の実態とは?
デサンティス知事

11月8日に投開票を迎えるアメリカ中間選挙。トランプ前大統領の動きが注目される中、今回の選挙戦では「ポスト・トランプ」を争う野党・共和党の有力候補らも頭角を現している。NNNは、「最有力」とされる、フロリダ州のデサンティス知事を取材。その人気の実態を探った。

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■フロリダで大人気 選挙集会ではオリジナル・テーマ曲まで

10月下旬の土曜日。フロリダ州中部・ポークシティの郊外にある、自然豊かな結婚式場には、長い行列が出来ていた。フロリダ州知事のロン・デサンティス氏(44)の選挙集会に参加する支持者たちだ。

11月8日の中間選挙で、2期目の当選を目指すデサンティス氏。陣営の報道担当者は、日本メディアが集会を取材するのは初めてではないかという。「デサンティスグッズ」売り場では帽子が人気で、幼い子どもを連れた親も目立つ。トランプ氏の集会などではあまり見ない光景だ。

数百人の支持者が詰めかける中、登場がアナウンスされると、知事のために地元・フロリダ出身のバンドが作ったオリジナル曲が流れる。大歓声が上がる中、デサンティス氏は、グッズの帽子を支持者に投げながら登場した。

「4年前に初当選した時は、他の州で子供たちが1年半も学校に行けず、人々の自由が奪われ、ワクチンを強制するようなことが起きるとは誰も思わなかった」

冒頭から、バイデン政権のコロナ対策を批判するデサンティス氏。その後もガソリン価格の上昇やインフレ対策の失敗、不法移民の増加など、矢継ぎ早に政権批判を繰り返した。

「11月8日に、(議会下院の過半数を奪還し)ペロシ下院議長(民主党)を引退させる」

こう気勢を上げると、支持者らも大歓声で応じた。

■きっかけはコロナ禍…「超保守的政策」連発し頭角

日本ではまだ知名度の低いデサンティス氏だが、アメリカでは今や、トランプ前大統領に次ぐ人気を誇る「次期大統領の有力候補」だ。フロリダ州に限って言えば、トランプ氏の人気を上回る。(サフォーク大学とUSATODAYの共同世論調査、22年9月)

頭角を現すきっかけとなったのが、2020年の新型コロナウイルス感染拡大だ。フロリダ州は他の州に先駆けて、ロックダウンなどの行動制限を解除。感染者・死者が急増したものの、学校や経済活動の再開が早まり、結果的に州の経済のスピード回復につながった。

さらにワクチン接種や、マスク着用の義務化に反対。移民政策をめぐっては、不法移民を飛行機で東部の州のリゾートに送り込み、バイデン政権を慌てさせるなど、「保守強硬派の知事」として一気に知名度を上げた。

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