×

タイ全土に戒厳令 政府機関に軍部隊を配置

2014年5月20日 12:11

 政治の混乱が続くタイで、軍は20日早朝、全土に戒厳令を発令した。首都バンコクの政府機関には軍の部隊が配置されている。

 現地時間の午前4時頃から小銃を持った兵士約30人が、治安維持を担ってきた政府の組織・平和秩序維持センターの入り口を封鎖している。

 プラユット陸軍司令官は20日朝、全土に戒厳令を発令したと発表した。これにより軍が治安維持の全権を握ることになる。陸軍司令官はまた、政権支持派と反政府デモ隊に現在の活動場所から動かないよう求めている。

 タイでは今月15日反政府デモ隊を狙った銃撃で20人以上の死傷者が出るなど治安が悪化しており、戒厳令は今後、双方のデモ隊の対立から流血の事態に発展するのを防ぐ狙いがあるとみられる。

 軍は今回の措置を政治の実権も握るクーデターではないと強調、市内では市民生活に目立った混乱はなく、日本人学校も通常どおり授業を行っている。

 地元メディアは戒厳令の発令後、20日のデモ行進が中止されたと報じるなど、デモ活動の縮小もみられる。去年10月から続く混乱が戒厳令で沈静化するかが焦点。