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ウクライナ 投票率11%、選挙妨害も

2014年5月26日 1:09
ウクライナ 投票率11%、選挙妨害も

 今年2月に政権が崩壊したウクライナで25日、大統領選挙の投票が始まった。しかし、東部では親ロシア派が当日になっても選挙を妨害している。東部の中心都市・ドネツクから渡辺祐史記者が中継する。

 ドネツクの親ロシア派はすでに「独立」を宣言していて、今回も選挙妨害を繰り返している。実際に市内の投票所10か所ほどを見て回ったが、どこも投票は行われていない状態。

 今回の大統領選の最大の争点は今後、ヨーロッパとロシア、どちらとの結びつきを強めていくかという点。事前の世論調査では、支持率はポロシェンコ氏が44.6%、ティモシェンコ元首相が8.4%と、ヨーロッパ寄りの姿勢を取りながらもロシアとの関係改善にも意欲を示すポロシェンコ氏が大きくリードしている。

 首都・キエフなど西部の投票は順調だが、ドネツク州では投票所が2割弱しか開いておらず、最新の投票率も11%程度にとどまっている。親ロシア派は準備を始めようとした投票所に押し寄せるなど当日になっても妨害を続けており、投票したくてもできない有権者が続出している。

 投票できなかった有権者「国民が投票したいのは当然だ」「子供のために国の発展の方向について意見を出すべき。開いている投票所を探します」

 親ロシア派が開いた集会には、武装集団がパレードのような形で駆けつけた。大統領選をほとんど実施させていないことで、自分たちの支配力に自信を深めている様子。

 親ロシア派リーダー・プシリン氏「“隣の国”の大統領選は行われなくて当然だ」

 選挙の大勢は日本時間26日午後にも判明する見通し。東部での投票率が低ければ親ロシア派が新しい大統領の正当性に疑問符をつけるのは確実で、混乱は当面収まりそうもない。