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米大統領選 立候補者続々!混戦の共和党

2015年7月3日 17:46
米大統領選 立候補者続々!混戦の共和党

 アメリカでは2016年の大統領選挙にむけて、立候補の表明が続いている。ヒラリー・クリントン前国務長官が独走する与党民主党とは対照的に、野党共和党は14人が名乗りを上げ混戦状態となっている。そのもようを田口舞記者が取材した。

 6月30日、率直な物言いで人気の高いニュージャージー州のクリス・クリスティー知事が正式に出馬を宣言した。野党共和党からの立候補はこれで14人目だ。クリスティー知事は力強くこう述べた。

 クリスティー氏「強く決断力のある大統領が必要です。だから私は大統領の共和党候補に立候補することを誇りに思う」

 混戦模様の中、現時点でわずかにリードしているのが、ジェブ・ブッシュ元フロリダ州知事だ。父はジョージ・ブッシュ元大統領、兄がジョージ・ブッシュ前大統領と大統領経験者2人を身内にもつブッシュ氏。抜群の知名度に加え、知事を2期務めたその手腕にも定評がある。また、メキシコ出身の妻をもち、移民政策に厳しい共和党の中でも寛容な姿勢をみせるなど、穏健派として知られている。

 ブッシュ氏が出馬を表明する前日、地元のフロリダ州マイアミを訪ねた。ここには、家族とともにブッシュ氏が通っている教会がある。教会の関係者によると「私がみる限りでは、毎週日曜日に来ていますよ」とのことだ。出馬前日のこの日も1人で教会を訪れたという。

 市内にあるメキシコ料理のレストランも、ブッシュ氏行きつけの場所だ。1か月に1~2回は訪れるという。ブッシュ氏がこのレストランでよく食べるのが、エビが入ったタコス。2200円のメニューを好んで食べるという。

 取材から1時間半後、この店にブッシュ氏本人が現れた。食事を終えたところを直撃すると――

 記者「明日の出馬表明にむけ準備は?」

 ブッシュ氏「準備はできています。もう完璧ですよ。今後の選挙を楽しみにしています。だからキミたちもここにいるんでしょう?私は一生懸命取り組み、勝つために選挙に出ますよ」

 肩車した孫に顔をなで回されながら、笑顔で質問に答えてくれたブッシュ氏。日本との関係について聞くと、こう話してくれた。

 ブッシュ氏「最も重要な関係の一つである必要があります。日米関係のおかげで、アジアは長い間、安全な状態でした。今後もこれが続かなければなりません。優先事項でなくてはならないでしょう」

 日米同盟を重視する考えを示した。共和党の“本命”とされるブッシュ氏だが、不安材料もある。同じ一族から3人目の大統領が出ることに、有権者の抵抗感が根強いのだ。街ではこんな声が。

 有権者「良い知事だったと思います。バランスがとれていて不備はありません。ただ“王朝”が生まれるのは嫌です」

 出馬表明でも、こうした声を意識したブッシュ氏。15日、壇上でこう演説した。

 ブッシュ氏「大統領になる権利は経歴や党派の年功序列、家族や家系によって決まるものではない。順番ではなく誰もが受けられる試験です」

 選挙キャンペーンでは、“ブッシュ”の名前を全面に押し出さない戦術をとっている。NBCの共和党担当ケイシー・ハント記者が現状をこう語ってくれた。

 ハント記者「有権者は“王朝”を懸念していて、ブッシュ氏は今後これに対応しなければなりません。本人も自身の能力を見せなくてはいけないと言っています」

 ブッシュ氏を追いかけるのが、ウィスコンシン州の知事、スコット・ウォーカー氏だ。正式な表明はまだだが、出馬に強い意欲を示している。

 ウォーカー氏「多くの良い候補者がワシントンに支持される仕事をまだしていない。もし私が出馬すれば、その用意はできています」

 また、共和党の若手ホープとして期待の高いマルコ・ルビオ上院議員の人気も上がっている。キューバからの移民の息子で、ブッシュ氏と同じフロリダ州マイアミを地盤にしている。

 ルビオ氏「私は選挙戦を家族のコネを使ってキャリアを有利にスタートさせていない」

 演説後のルビオ氏に「これまでの選挙戦はどうですか?」と記者が尋ねると、無言でその場を去っていった。

 大統領選挙の投票は2016年11月だが、2015年8月には候補者が参加する討論会も始まる予定だ。党の候補者を一本化する戦いが今後本格化することになる。