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シリア軍がイラク国内の過激派組織に空爆

2014年6月26日 22:08

 イラクでイスラム過激派組織が攻勢を強める中、欧米メディアはシリアのアサド政権が、国境を越えてイラク国内の過激派組織に対し、空爆を行ったと報じた。

 イギリスのBBCテレビによると、イラクのマリキ首相はシリア軍の戦闘機が24日、国境を越えてイラク側の国境の町・カイム周辺を空爆したことを認めた。カイムは先日、スンニ派の過激派組織「イラク・シリアのイスラム国」が制圧したばかり。マリキ首相はさらに、過激派組織へのいかなる攻撃も「歓迎する」と述べた。

 「イラク・シリアのイスラム国」は、両国をまたいで活動しているが、シリアとしては、国境地帯を空爆することで物資や戦闘員の行き来を分断する狙いがあるものとみられる。

 一方、ロイター通信によると、「イラク・シリアのイスラム国」とみられる過激派組織が25日、北部のアジール油田地帯を制圧した。アジールは比較的小規模だが、過激派組織が油田地帯を制圧したのは初めて。さらに25日には、首都・バグダッドから南に約30キロ離れたマハムディヤで自爆テロがあり、少なくとも13人が死亡した。犯行声明は出ていないが、シーア派住民が多く住む地域を狙ったスンニ派組織による犯行の可能性がある。