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映像公開に遺族側が反発 米・黒人少年射殺

2014年8月16日 17:58

 アメリカで黒人の少年が警官に射殺された問題が波紋を広げる中、警察は15日、少年が強盗事件に関わっていたとする防犯カメラの映像を新たに公開した。

 今月9日、ミズーリ州で18歳の黒人少年、マイケル・ブラウンさんが警官に射殺されたことをきっかけにアメリカでは各地で抗議活動が広がっている。こうした中、警察は15日、ブラウンさんが射殺される直前に商店で葉巻を奪ったとする防犯カメラの映像を公開した。

 ブラウンさんとみられる人物が商品を手に、店員を威嚇してそのまま出て行く様子が映されている。しかし、射殺した警官はブラウンさんがこの強盗事件に関与した可能性があることを知らなかったという。そのため遺族側は、警察が問題をすり替えようとしていると反発している。

 ブラウンさん一家の弁護士「警察はブラウンさんのイメージを意図的に傷つけようとしている」

 少年を射殺した経緯がはっきりしておらず、現在、FBI(=アメリカ連邦捜査局)を中心に捜査が行われている。地元メディアはこの問題を連日大きく報じていて、人種差別論争にまで発展している。警察は、求めに応じるかたちで射殺した警官の氏名を公表したが、事態が沈静化する見通しはたっていない。