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なぜ今? 米軍がシリア「イスラム国」空爆

2014年9月23日 18:36

 イラクとシリアで勢力を拡大しているイスラム過激派組織「イスラム国」の壊滅をめざすアメリカ軍などは22日、シリアで初めての空爆を行ったと発表した。アメリカ・ワシントンから田口舞記者が中継。

 今回の発表は、空爆の最中に行われた、極めて異例なものとなった。空爆を行ったアメリカ中央軍によると、シリアでの軍事作戦は夜通し行われ、戦闘機や爆撃機などを使い14回にわたり空爆したという。この一連の空爆で、イスラム国のシリアでの本拠地とされる北部・ラッカやデリゾールなどで、司令本部や訓練施設など複数の標的を破壊したとしている。また、作戦はサウジアラビアやヨルダンなど中東5か国と合同で行われた。

 これまで人道支援やアメリカ人の保護などを目的にしたイラクでの空爆とは異なり、シリアでの空爆は、アメリカがイスラム国の壊滅に向けて本格的な戦いを始めたことを意味する。

 また、24日には国連総会の安全保障理事会でイスラム国の対応を巡る首脳級会合が開催される。ここでロシアなどアメリカの軍事介入に否定的な国からクギをさされる前に攻撃に踏み切ったとの見方もでている。

 もう一つ重要なポイントは、今回の空爆はアメリカ単独ではなく、中東の国と合同で行われたというもの。イスラム国への対応を巡り、有志連合づくりを進めるアメリカとしては、中東の国も空爆に参加することで国際社会の支持をとりつけたい狙いもあるものとみられる。