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「ゼロコロナ政策」緩和から1週間 感染急拡大か…物流にも影響 “通達下りてない”無症状で隔離され続ける人も 中国

2022年12月14日 21:34

中国政府がゼロコロナ政策の緩和に踏み切ってから、14日で1週間となりました。大幅な緩和により新型コロナウイルスの感染が急拡大しているとみられ、街の人出や、物流などに影響が出ています。また、一部ではゼロコロナ政策が残ったままで、中途半端な対応に苦しむ人々もいました。

    ◇

14日、北京の観光地を訪れると、通りには人の姿がなく、がらんとしていました。

記者
「北京有数の観光地ですが、本当に人がいなくて空っぽです。3年前に感染拡大した時と全く同じ状況ですね」

激しい抗議デモを受けて、中国政府がゼロコロナ政策の緩和に踏み切ってから、14日で1週間です。しかし、出店も商品がなく空っぽで、商売になっていない様子でした。大幅な緩和により中国では、新型コロナの感染が急拡大しているとみられ、恐れた人々が外出を控えているのです。

その影響は、物流にも及んでいました。運送会社の配達員にも感染が広がっているとみられ、店の前には、配達前の荷物が大量に放置され、山積みになっていました。

記者
「賞味期限とかあるものないんですかね。大丈夫ですかね」

    ◇

そのような中、中国政府は14日、「無症状の感染者数の公表を取りやめる」と新たに発表しました。大幅な緩和が進んでいます。

中国外務省が毎日行う記者会見では14日、普段は各国の記者で埋め尽くされる記者席も、空席が目立っていました。

記者会見に参加するには、24時間以内に受けたPCR検査の陰性証明が必要ですが、市内の検査場では陽性の検出が相次いでいて、陰性証明を取るのが困難になっています。参加できるメディアも日に日に減っているのです。

検査できない事態は、上海でも起きていました。

記者(14日)
「街中のPCR検査場です。毎日検査していたんですが、もう(張り紙に)『停止中』と書かれていますね」

陰性証明の提示を求められる場所が激減したため、多くのPCR検査場が検査を停止したのです。

緩和の影響で集客を期待した飲食店では、店員が「PCR検査やってた時はみんな出掛けてたけど、やらなくなった途端、感染を恐れて出掛けなくなった。売り上げは逆に下がったの!」と憤りを隠せない様子でした。

    ◇

ただ、緩和の過渡期にある中国。一部ではゼロコロナ政策が残ったままで、中途半端な対応に苦しむ人々もいます。

12日、上海の隔離施設で撮影されたのは、「我々は家に帰りたい」と訴えの声を上げる“無症状の感染者たち”です。緩和により、無症状の人は自宅療養が可能なはずですが、この施設で隔離され続けているのです。

隔離されている日本人女性
「現場担当者からは、『何も通達が下りてきてないから帰せない』と、政府の決定が反映されてなくて、すごく患者みんな、私も含めて不安になっている」

このように話すのは、一時帰国した日本から上海に戻った際、陽性が判明したという無症状の日本人女性です。今月4日から、見知らぬ人と3人の相部屋に隔離され続けているといいます。

隔離されている日本人女性
「みんなすごく疲れていて、『早く帰りたい、早く帰りたい』とみんな毎日、言ってます」

トイレットペーパーやタオルの備え付けもなく、10日間以上シャワーも浴びられない過酷すぎる生活。

隔離されている日本人女性
「体よりも心がきついですね。『緩和』と言われているが、まだまだそうではないところもあると知っていただきたい」

中国の感染のピークがまもなく訪れるとの見方もあり、混乱はさらに続きそうです。