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「ゼロコロナ政策」大幅緩和も“感染急拡大”の懸念 「桃缶」売り切れ現象も… 中国

2022年12月12日 22:37
「ゼロコロナ政策」大幅緩和も“感染急拡大”の懸念 「桃缶」売り切れ現象も… 中国

いわゆる「ゼロコロナ政策」の大幅緩和に踏み切った中国で、新型コロナウイルスの感染急拡大の懸念が広がっています。さらに桃の缶詰が症状を和らげるとのうわさが広がり、売り切れになる現象も起きています。

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12日、中国・北京市内の薬局では、薬などを買い求める人たちの行列ができていました。

記者
「感染を警戒しているのでしょうか、店内には客を入れずに、ビニール越しに薬を販売しています」

また、北京市内の発熱の外来患者を受け付ける病院の窓口にも多くの人が訪れていました。病院などに人が殺到する様子は11日にも見られました。

中国メディアなどによると、夜は氷点下になる寒さの中、多くの市民が行列を作り、6時間以上並び続けた人もいたということです。

激しい抗議デモを受けて、中国政府は先週、「ゼロコロナ政策」を大幅に緩和しました。ショッピングモールなどでは制限なく出入りできるようになりましたが、12日には店内に客の姿はほとんどありませんでした。レストランでも…

記者(中国・北京、12日)
「先週から店内でも飲食ができるということで、今、お昼時に来てみたんですけども客の姿ゼロですね」

レストラン街を歩くのはデリバリーのスタッフのみでした。市民たちが感染を恐れて外出を控えているのです。

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中国当局は12日、新たな感染者が1万人を切ったと発表しました。数字上では新規感染者が減り続けていますが、額面通り受け止める人は減っています。

中国SNSには、「私の周りの友達は、もう8割が陽性になった」、「世界はコロナ感染3年目だけど、中国は今始まった。最初に見つかった国なのに…」といった声が上がっています。

ゼロコロナ政策の緩和に伴い、移動の際にPCR検査の陰性証明が求められなくなったため市民による検査の機会が激減。さらに、PCR検査場も次々と閉鎖され、実態把握ができなくなっているともみられています。

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一方でこんな現象も起きていました。北京市内のスーパーでは桃の缶詰が売り切れていました。桃の缶詰が新型コロナウイルスの症状を和らげるとのうわさが広がり、品薄になっていたのです。

中国メディアは「桃缶は症状を緩和しません」と報じ、ネット上のデマだと注意を呼びかけています。さらに、「ミカンを食べると検査が陽性になる」など、さまざまなうわさがとびかっているといいます。

中国の専門家からは、これからひと月以内に感染のピークが来るとの予想も出ています。中国がこれまで経験したことのない感染急拡大が進み、医療体制がひっ迫するのではとの懸念も高まっています。