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“急な発表”に市民の反応は…中国「ゼロコロナ政策」大幅緩和

2022年12月8日 17:43

厳しいゼロコロナ政策が大幅に緩和された中国・上海市から中継です。

今回のゼロコロナ政策の緩和は、市民は全体として歓迎しています。後ろにあるのはPCR検査場ですが、8日午後、上海市が記者会見して、9日からは飲食店に入る時にも陰性証明が不要となりました。

7日の政府の通達を受けて、地方政府でも続々と緩和が続いています。上海では学校や病院、老人ホームを除いて、ほとんどの場所で陰性証明が不要となり、今後はPCR検査を受ける人は減るのではないかと思われます。

こうした急激な緩和に、一部では混乱も起きています。これまで政府は「対策を緩めれば多くの死者が出る」と言って、厳しい態度で国民を管理してきましたが、突然、方針を転換し、大幅に対策を緩くしたので、不安に感じる人も少なくありません。

薬局では自己防衛のために、風邪薬や解熱剤などが売り切れていて、感染の急拡大に備える動きが見られます。

ーー今回の大幅な緩和の発表は突然のようにも感じますが、緩和の理由とは何なのでしょうか?

政府や中国メディアは盛んに「ウイルスの変異を受けて、緩和した」というストーリーを展開していますが、各地で起きた抗議活動が大きな要因であることは間違いないと思われます。

習近平政権は、国民の不満が政権批判にまで発展したのは驚きだったとみられます。

さらに、長期間のゼロコロナ政策で経済が落ち込んでいるため、最低限の医療崩壊は防ぎつつも、経済の活性化に重心を移したいということが本音だと思います。

今回の一連の流れは、若者を中心に「抗議活動によって、政府の政策を変更させた」という成功体験となっていて、長い目で見た時に、中国社会の変化につながっていく可能性を感じます。