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中国「ゼロコロナ」軌道修正で……新たな“混乱”も 薬局に北京市民が殺到ナゼ? 「規制が終わるのが不安」の声も

2022年12月9日 10:45

中国の「ゼロコロナ政策」に対する国民の不満が高まり、中国政府は緩和を余儀なくされました。上海のディズニーランドや北京の日本料理店などは営業を急きょ再開しました。一方、北京の薬局には薬を買い求める人が殺到するなど、新たな混乱も起きています。

■異例の政権批判も…全土で抗議活動

新型コロナウイルスの感染を徹底的に封じ込める、中国の極端な「ゼロコロナ政策」。抗議活動が中国全土に広がりました。

11月27日、上海では「習近平、やめろ!」と、言論統制が厳しい中国で異例の政権批判の声まで上がりました。

12月4日には、住民に感染が確認されたため福建省のマンション全体が封鎖。住民「誰の指示で封鎖するんだ!呼んでこい!」地元政府「代表者を出してください」住民「お前たちのせいで生活できない!」「血がこんなに出てる!どうしてくれるんだ!」と激しい抗議が起きました。

■移動制限を撤廃、自宅隔離OKに

中国で新型コロナの発症が世界で初めて確認されてから8日で3年。習近平政権は、「ゼロコロナ政策」による国民の不満を抑えるため、急激な軌道修正を余儀なくされました。

国内の移動制限を事実上撤廃したほか、軽症の感染者には隔離施設ではなく自宅隔離を認めることなどを発表しました。

11月から休園していた上海ディズニーランドも、7日の夕方、突然営業再開を発表しました。「ゼロコロナ政策」の緩和を受け8日から営業を再開し、朝から多くの人が訪れました。

ゴム手袋をつけたスタッフが出迎え、来場者は「うれしい。封鎖されていたので、ずっと待っていました。(緩和)政策をすごく支持します」と喜んでいました。

■感染再拡大への不安も…新たな現象

一方で、「ゼロコロナ政策」緩和による新たな現象も起きています。

再び感染が拡大するのを恐れ、北京の薬局には、薬を買い求める人が殺到していました。ある北京市民は「今、この地区は患者がかなり多いので、薬を買わなきゃいけない」と言いました。

北京では6日から、オフィスビルなどに入る際の陰性証明の提示が不要になりました。ただ規制緩和を不安視する声も上がります。検査を受ける市民は「これまで3年間、感染を抑えてきたのに(規制が)終わるのは不安です」と話しました。

■具体的な指示もなく…困惑の料理店

11月中旬から営業停止となっていた北京の日本料理店では7日、オーナーが「本当に昨日急に(解禁と)言われたので…」と戸惑いながら調理していました。客に陰性証明が必要かどうかの具体的な指示もないまま、突然の方針転換に振り回されているといいます。

急な営業再開に、予約客は1組だけでした。

オーナー
「生魚買ってきても、やっぱりお客さんの予測は立たないので、あまり仕入れられないです。中国の人はすごく躊躇(ちゅうちょ)というか、まじめというか。出渋るとは思いますね」

大幅に緩和された「ゼロコロナ政策」。政府や中国メディアは「ウイルスの変異を受けて緩和した」としていますが、場当たり的とも言える方針転換に、しばらく混乱が続きそうです。

(12月8日『news zero』より)

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