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米・中間選挙で民主党“大敗” 失望が要因

2014年11月6日 0:23

 オバマ政権の6年間の評価となるアメリカの中間選挙で、国民は厳しい審判を下した。アメリカ議会は上院が100議席、下院が435議席。日本時間の5日午後10時現在、NBCテレビなどによると、野党・共和党は、上院で改選されない議席と合わせて52議席。そして下院では243議席と、ともに過半数を獲得した。オバマ大統領の民主党は議会の主導権を失う「大敗」となった形。ワシントンから近野宏明記者が最新情報を伝える。

 オバマ大統領にとって大きな痛手だが、この大敗の背景にはオバマ大統領が一身に背負ってきた「期待」が「失望」に変わったことが最大の要因だ。一夜明けた新聞各紙には、「共和党の波」「国民の怒りに乗って議会の支配権を握る」といった見出しが躍っている。選挙直前にイスラム国やエボラ出血熱という命に関わる問題で対応が後手に回り、国民の感情に火をつけたことも否めない。窮地に立ったオバマ大統領は、日本時間の6日午前5時前に会見する。

 議会の実権を野党が握った状態で残りの2年間、政策を実行したくてもできない「レームダック」、死に体となる懸念が出ている。重要法案や予算、人事など、あらゆる審議で大統領は共和党への歩み寄りを求められる。大統領には議会を通さない「大統領令」を使い政策を実行することもできるが、いわば“奥の手”で連発するわけにもいかない。今まで以上に厳しい政権運営を強いられるのは確実だ。

 一方で国民は、これまでの「決められない政治」の責任は、党派対立をあおるばかりで政治を停滞させてきた共和党にもあると見ている。

 政権への失望と議会の機能不全が重なるとき、世界がアメリカの指導力に寄せる信頼も揺らぎかねない。アメリカはまさに正念場を迎えている。