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「批判」避け「強調」優先 米中首脳会談

2014年11月12日 23:35

 アメリカのオバマ大統領と中国の習近平国家主席の首脳会談が中国・北京で行われた。2日間で9時間を超える異例の会談では政治的な隔たりを埋めることはなかったが、環境分野などでの協力が打ち出された。

 オバマ大統領と習主席は温室効果ガスの排出量削減で新たな合意に達したほか、軍事面での信頼を醸成するため交流を深めること、両国がビザの発給要件を緩めることなどで一致した。

 習主席「米中の協力がうまくいけば、世界安定の重しとなり、世界平和を推進できる」

 オバマ大統領「意見の違いがある問題では緊張を緩和し、可能な限り違いを狭めるよう努める」

 共同会見でオバマ大統領は、東シナ海・南シナ海での海の安全を巡る問題では「領有権を巡る紛争は平和的に、国際法に則って解決されるべき」と述べた上で、習主席が緊張緩和のため、安倍首相と会談したことを歓迎した。

 一方、習主席が香港の民主派デモを「違法行為」と断言したのに対し、オバマ大統領は「中国や香港の人々が決めることだ」と述べるにとどまった。人権問題などでの隔たりは埋まらなかったが、強い批判は避けて両国の協調を優先させる姿勢をにじませた。