北の人権侵害 国際刑事裁判所での裁き促す
国連の人権に関する委員会は18日、北朝鮮による人権侵害を国際刑事裁判所で裁くよう促す初めての決議を採択した。
決議案は日本とEU(=ヨーロッパ連合)が提出したもので、北朝鮮の拉致問題や政治犯収容所などの人権侵害について、「国家最高レベルの決定で行われた人道に対する罪」だと強く非難している。その上で、国連の決議としては初めて、北朝鮮の責任者を国際刑事裁判所で裁くよう安全保障理事会に促した。事実上、金正恩第1書記の責任追及につながるため北朝鮮は強く反発し、採決前には核実験強行をほのめかして各国に反対を呼びかけた。結局、ロシアや中国などが反対したものの賛成多数で決議は採択された。
今後、本会議での採決を経て正式な国連総会決議となるが、国際刑事裁判所に付託する権限を持つ安保理では、中国などの拒否権発動が予想され、実現の可能性は低いとみられる。