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仏テレビ局、容疑者との電話音声を公開

2015年1月10日 20:45

 フランス・パリで起きた新聞社襲撃事件をめぐり、2か所で起きた立てこもり事件は日本時間10日未明、治安部隊が突入し、容疑者3人全員が死亡した。サイード・クアシ容疑者(34)とシェリフ・クアシ容疑者(32)が立てこもっていた現場近くから、小島康裕記者が中継。

 事件後、フランスのテレビ局「BFMテレビ」は、立てこもっていた容疑者が死亡する前に、記者と電話で話した内容を公開した。

 シェリフ容疑者とされる人物「私、シェリフ・クアシは、イエメンのアルカイダから送り込まれました。指導者・アウラキ師から資金提供を受けました」

 会話の中でこの人物は、中東のイエメンを拠点に活動する国際テロ組織「アラビア半島のアルカイダ」から犯行の指示を受け、イスラム教の預言者・ムハンマドの名誉のために、報復として犯行に及んだと話した。また、このテレビ局は、パリ東部で食料品店に立てこもっていたアメディ・クリバリ容疑者(32)とされる人物とも電話で話し、クアシ容疑者らと連携を取っていたと伝えている。

 クリバリ容疑者とされる人物「作戦開始のタイミングは示し合わせた。彼ら(シェリフとサイード)は新聞社で、私は警察に向かった」

 この人物は「自分は『イスラム国』に所属している」と話し、「イスラム教徒を守るため犯行に及んだ」などと述べている。

 一方、一夜明けたパリの現場では、規制線が大幅に解除され、店の看板の文字が外れるなど、事件の生々しい様子がうかがえた。容疑者3人が死亡したことで立てこもり事件には一応の終止符が打たれた形だが、真相解明にはまだ長い道のりが残っている。

 特に容疑者の背後関係は最大の捜査課題で、地元メディアが、容疑者たちがパリに拠点のあるイスラム原理主義組織でつながっていたと報じている。捜査当局も、アルカイダからの資金供給経路と武器調達方法の解明に全力を挙げる方針を示した。

 一方で、事件に関与した容疑者のうち3人が死亡しており、捜査当局はパリで立てこもり事件を起こしたクリバリ容疑者の交際相手で現在も逃走を続けているアヤット・ブメディエンヌ容疑者の行方を全力で追い、事件の根本にあるものに迫りたい考え。

 地元メディアは10日朝、イエメンのアルカイダ代表のものとする声明を掲載した。声明では「あなたたちがアラーに挑戦し続ける限り、あなたたちは決して安全な状況ではいられないでしょう」とフランス国民に向けて警告している。

 事件の真相解明がされない限り、フランスは常に同様の事件と背中合わせになっていると言える。

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