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容疑者籠城…緊迫の状況を証言 仏テロ事件

2015年1月11日 11:56

 フランスで起きた新聞社襲撃など一連のテロ事件で、犯行に関与した疑いのある女がシリアに逃亡した可能性があることがわかった。

 AFP通信は10日、女性警察官を殺害しユダヤ系食料品店に立てこもったアメディ・クリバリ容疑者のパートナー、アヤット・ブメディエンヌ容疑者がトルコを経由してシリアに入った可能性があると伝えた。

 またル・モンド紙はブメディエンヌ容疑者が一連の事件の数日前にシリアに向けて出発し、9日に予約していた帰りの便に乗らなかったと報じている。

 ブメディエンヌ容疑者は新聞社を襲撃した男の妻と1年間で500回以上電話をしており、自らも女性警察官殺害に関与した疑いが持たれている。捜査当局は一連の事件の関連性や背後関係を解明する上でカギを握るとみて行方を追っている。

 こうした中、新聞社の襲撃で12人を殺害したクアシ容疑者ら兄弟が立てこもった印刷会社の社長が10日、当時の状況を証言した。

 印刷会社社長「仕事場の窓からロケットランチャーとカラシニコフを持った2人の男が見えた。2人は中に入ってきた。攻撃的ではなく『心配しなくていい、中に入らせてもらいたい』と言ってきた」

 この社長は気付かれないように従業員を避難させながら、クアシ容疑者らに飲み物を振る舞ったり、ケガの手当てをするなど落ち着かせるよう努め、従業員にケガはなかった。

 印刷会社社長「最初から命はないものと思い、落ち着いて話せた。怖くはなかった」

 一方、人質4人が殺害されたパリ東部のユダヤ系食料品店の周辺では、地域の住民が集まり犠牲者を悼んだ。

 10日はフランス全土でこうした集会が開かれ、約70万人が参加した。11日には市民やヨーロッパ各国の首脳がパリ中心部を行進し、一連のテロで死亡した17人を追悼する予定。