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中国・全人代閉幕 成長率の目標7%前後に

2015年3月16日 1:13

 中国で、国会にあたる全人代(=全国人民代表大会)が閉幕した。終了後の会見で李克強首相は、「国の指導者は先人の罪がもたらす歴史の責任も負うべきだ」と述べ、安倍首相が戦後70年の談話を出すのを前にけん制した。

 最終日を迎えた全人代は、経済成長率の目標を3年ぶりに引き下げ、7%前後とすることなどを盛り込んだ「政府活動報告」を採択した。李首相は、7%前後に引き下げた成長率の目標について、「実現するのは簡単ではない」と危機感を示し、景気刺激策を取る可能性に触れた。

 また、「爪を切るのではなく、痛くても手首を切らなければならない」と、行政改革に抜本的に取り組む決意を示した。

 一方、安倍首相が戦後70年にあたって談話を発表することを念頭にけん制した。

 李克強首相「国家の指導者は、先人の罪がもたらした歴史の責任も負うべきだ」

 過去の植民地支配と侵略に対し痛切な反省を表明した、「村山談話」などを踏襲するよう求めた形。ただ、「もし日本の指導者が歴史を直視すれば、関係改善の新たな契機となる」と、期待感も示した。

 成長優先から質の重視への転換が鮮明となった今年の全人代。政権3年目に入った習近平政権は、国内世論も見極めながらのかじ取りを迫られている。