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【特集】密着!新人潜水士の初訓練 命を救う“2%”の精鋭

2024年8月16日 14:13
【特集】密着!新人潜水士の初訓練 命を救う“2%”の精鋭

特集は海中での人命救助や捜索などを担う海上保安官の潜水士です。今月八戸港で過酷な初訓練に臨んだ新人潜水士を追いました。

海の事故から命を守る海上保安庁の潜水士。全国でおよそ130人、全海上保安官のわずか2パーセントという精鋭です。
八戸海上保安部の巡視船「しもきた」は、8人の潜水士が乗り組む東北唯一の潜水指定船。先月潜水士に任命された浅野祐介さんはこの日が初訓練です。

潜水士になるためには年に1度の選考会を通らなければいけません。28歳と遅咲きの浅野さんは去年、3度目の挑戦で合格。2か月の研修を経て念願の潜水士になりました。
きっかけは宮城県南三陸町で過ごした中学時代。東日本大震災で見た潜水士の姿でした。

★巡視船しもきた 浅野祐介潜水士
「私の地元の方々の多くは漁師として海で働いてきていましたのでその人たちの力になりたいと思い 人命救助を行っている潜水士になろうと思いました」

海難の現場は常に危険と隣り合わせです。
初訓練では巡視船の船首から8メートル下の水面に飛び込みます。
そして海面からロープで船によじ登ります。
先輩潜水士に続き浅野さんが挑戦です。

何度も挑戦しますが登り切れず。多くの潜水士が最初にぶち当たる壁だといいます。

★浅野祐介潜水士
「なんとか先輩潜水士についていこうと必死になっていたのですけれどもなかなか自分の体力面が追いつかず すごい苦い経験となってしまいました」

巡視船で潜水訓練ができるのは週に1日程度。命を救うため短い訓練に集中します。

★巡視船しもきた 出雲羽吹 潜水士副班長
「出来としてはまだまだかなというところではありますけれども 彼は素直で真面目ですので まだこれから伸びしろがいっぱいあると感じたところでした」

★浅野祐介潜水士
「選考会を突破するために日々体力トレーニング等に取り組んできたのですけれど それだけでは現場は務まらないということを実感しました なので今後も引き続きトレーニングを負荷をかけて頑張っていきたいと思っています どんな業務でもこなせるような潜水士になっていきたいと思っています」

潜水士として一歩を踏み出した浅野さん。訓練の日々は始まったばかりです。

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