乗客乗員１５０人を乗せたドイツの格安航空会社の旅客機が、フランス南部で墜落した。フランスのオランド大統領は会見を開き、生存者はいないだろうと、厳しい見方を示している。

　日本時間２４日午後８時過ぎ、フランスのオランド大統領が会見した。

　フランス・オランド大統領「悲しい惨事で、新たな航空事故の悲劇です。何が起きたのか原因を究明し、スペイン・ドイツの当局に知らせます。犠牲者の家族に連帯の気持ちを示します」

　日本時間２４日午後７時ごろ、ドイツの航空会社ジャーマンウィングス航空のエアバスＡ３２０が消息不明になり、フランス南部で墜落した。ジャーマンウィングスによると、乗客乗員１５０人。フランス政府によると、生存者はいないと見られている。

　墜落した旅客機は、スペインのバルセロナを日本時間２４日午後６時前、現地時間の２４日午前１０時前に出発し、ドイツのデュッセルドルフにむかっていた。しかしその途中で、なんらかの理由でフランス南部のディーニュ・レ・バンで墜落したという。

　フランス・オランド大統領「墜落場所にアクセスするのは難しい。生存者はいないとみられる」

　ロイター通信によると、事故機は離陸から５２分後に異常を知らせる信号を出し、その後交信が途絶えたという。

　墜落現場はアルプスのふもとで、フランスの内務省によると、現場で機体の一部が発見されたという。乗客の多くはドイツ人とスペイン人と見られている。

　日本の外務省によると、今のところ日本人が巻き込まれたとの情報は入っていないが、現地では確認作業が続けられている。

　ジャーマンウィングスは、フランスなどの西ヨーロッパの都市とドイツを結ぶ路線が多い。ドイツの大手航空会社ルフトハンザの系列の格安航空会社で、ドイツ国内では多くの利用者がいる。

　そのルフトハンザの社長はツイッターに、「私たちが恐れていることが事実と確認されれば、ルフトハンザにとって暗黒の一日だ。生存者が見つかることを祈っている」と投稿。

　また、フランス・パリを訪問中のスペインのフェリペ国王が記者会見し、乗客には「多くのスペイン人がおり、他にトルコ人、ドイツ人がいる」と話した。

　航空機の運航に関する情報を提供している民間会社によると、事故機は高度１万メートルほどに上昇したあと降下し、２０００メートル付近でレーダーから消えたという。また、事故があった機体はエアバスＡ３２０の中で最も古い製造番号の一つで、１９９０年１１月に納入されたという。

　フランスのオランド大統領は、ドイツ、スペイン当局と協力しながら、事故原因の究明を急ぐ方針。しかし、フランスのメディアによると、墜落現場は山岳地帯で道がなく、本格的な救助活動や調査の開始には時間がかかると見られている。