アメリカのオバマ大統領は９日、国交を断絶しているキューバのテロ支援国家指定の解除に向け、事務的な作業が終わったことを明らかにした。パナマから近野宏明記者が中継する。

　オバマ大統領は、長年敵対してきたキューバへのテロ支援国家指定について近く解除に踏み切り、パナマで両国関係の大きな一歩を踏み出すとみられる。

　オバマ大統領「（テロ支援国家の指定解除へ向けた）国務省の見直し作業は完了し、ホワイトハウスに送られた」

　今後は、ケリー国務長官からの勧告を受け次第、オバマ大統領はテロ支援国家指定の解除に踏み切る方針。オバマ大統領は勧告はまだ届いていないとしているが、アメリカ議会上院の議員は早くも、「解除を求める国務省からの勧告は重要な一歩だ」と声明を出すなど、指定解除へのムードはすでに高まっている。

　アメリカはパナマで行われる国際会議の場を利用し、ケリー国務長官がキューバのロドリゲス外相と会談するほか、オバマ大統領も期間中にラウル・カストロ議長と接触する見通しで、解除の方針を直接伝えるとみられる。

　テロ支援国家の指定解除はキューバが強く求めてきたもので、アメリカがこれに応じることで、今後の国交正常化交渉は加速するとみられる。