×

香港の長官選挙“中国の意向に沿う形”に

2015年4月22日 23:09

 政府部門のトップにあたる行政長官の選挙方法巡って去年、大規模なデモが行われた香港で、22日、政府側が選挙方法の改定案を正式に発表した。改定案は中国政府の意向に沿うものとなっていて、民主派からは反発も出ている。

 香港で5年に一度行われる行政長官の選挙方法を巡っては、去年、中国の国会にあたる全国人民代表大会(=全人代)が、次の選挙から住民の投票を認めるものの、立候補者を制限する組織を設ける方針を決定。この組織が、中国の判断を支持する親中派が多数を占めるとみられたことから、事実上、民主派の候補を排除する仕組みだとして、民主派団体などによる大規模な抗議デモに発展した。

 22日、香港政府が正式に発表した選挙方法の改定案も、ほぼ全人代の方針通りで、民主派の候補を排除する仕組みはそのままの形となった。改定案は今後、香港の議会で審議され、3分の2以上の承認が得られれば決定することになる。

 しかし、議会では「中国側の意向に沿う形での改定なら同意しない」とする民主派の議員が3分の1以上を占めていて、今後、香港政府が民主派を取り込めるかが焦点となる。