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【専門家解説】ロシア大統領選プーチン氏「圧勝」へ 新たな火種も…今後の動きは?【バンキシャ!】

2024年3月18日 10:22
【専門家解説】ロシア大統領選プーチン氏「圧勝」へ 新たな火種も…今後の動きは?【バンキシャ!】
ロシアで17日、投票最終日を迎えた大統領選挙。プーチン氏の当選が確実と言われています。ウクライナ侵攻の行方、そしてアメリカや北朝鮮との関係など、プーチン氏の今後の動きについて、ロシア政治・外交などが専門で、防衛研究所の兵頭慎治研究幹事に聞きました。(真相報道バンキシャ!

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──プーチン大統領の圧勝となりそうですが、ますますプーチン大統領の権力基盤が固まっていくということを意味するのでしょうか?

兵頭慎治研究幹事
「選挙に向けて強権統治を強めていましたので、短期的には政権基盤は強まるということですが、戦争長期化して犠牲が拡大するとかロシア経済が大きく悪化すると、潜在的な反戦機運が広がる可能性があるんですね。ですから、選挙で圧勝したとしても、まだまだ気を抜くことはプーチン大統領はできないような状況が続くのではないかと思います。プーチン大統領の戦争目標は、ウクライナの属国化ということなのですが、ただ、今のロシア軍の実状からすると実現というのは容易ではない。引くに引けない状況的に自らを追いやってしまって、むこう6年間の新しい任期で長期戦の構えではないかと思います」

──では、そのプーチン大統領がこのあとどう動くのか。「ウクライナ侵攻 新カードも?」「再選後 〇〇へ訪問か?」の2点に注目してお聞きします。まずは、ウクライナ侵攻ですが、プーチン大統領は選挙に圧勝したから自由に強気な戦略をとれるというわけでもなさそうですね。

兵頭慎治研究幹事
「軍事的な攻勢をさらに強めるには、予備役の再動員が必要になりますが、以前動員を行って国内が動揺したという経緯が実はあるのです。ですから、ロシア社会全体を巻き込んでこの戦争を続けていく、そのためには慎重な政治的な舵取りをプーチン大統領は求められるのではないかと思います」

──となると、プーチン大統領もウクライナに関して新しい方針に踏み切る可能性もあるということですか?

兵頭慎治研究幹事
「実は年明けから停戦に前向きな『そぶり』を見せ始めているんです。これは、アメリカの支援を停止させていく、さらに戦力を回復するための時間稼ぎを行おうとしているのではないかという見方が強まっています。アメリカ国内でも支援が滞っているんですね。それに加えて中東戦争も始まりましたので、ウクライナ侵攻に対して関心が低下しているので、一挙に停戦世論を国際社会で喚起していきたいという狙いもあるのではないかと思います」

──そのアメリカでは11月の大統領選挙で、トランプ前大統領が復活するのではないかという話も出ていますが、これも影響してきますか?
 
兵頭慎治研究幹事
「現時点でトランプ前大統領はウクライナ支援に消極的であって、最近はウクライナ和平を取り持って、ノーベル平和賞を目指しているのではないかという指摘も出始めているわけです。ですから、プーチン大統領からすると、トランプ前大統領の復活に合わせて、なんとかウクライナ支援を低下させていきたいと。アメリカの支援がないとウクライナ軍もなかなか継戦能力を維持することができなくなるので厳しい状況に置かれる可能性もあるのではないかと思います」

──そしてもう1点、プーチン大統領がもし再選した場合、早い段階で訪問するのでは?と言われているのが…北朝鮮なんです。

16日、朝鮮中央テレビで放送された映像。この黒塗りの車から降りてきたのは、北朝鮮の金正恩総書記。実はこの車…プーチン大統領が、金総書記に贈ったロシア産の高級車なんです。プーチン大統領は去年、金総書記をロシアに招くなど、急速に関係を深めています。

──ロシアと北朝鮮の関係が深まる狙いは何でしょうか?

兵頭慎治研究幹事
「今、ロシア側は戦場に砲弾や短距離弾道ミサイルが不足しているので、北朝鮮から供与を受けているんですね。つまり戦争を続けるためには北朝鮮への軍事依存をロシアは強めざるを得ない状況になっていると。北朝鮮側もこの見返りに軍事偵察衛星などロシア側から技術支援を得ているのではないかという見方もあり、両者の軍事的な関係はさらに強まりそうなんです」

──北朝鮮とロシアの軍事的な結びつきが強くなると、日本への影響はどうでしょうか。

兵頭慎治研究幹事
「プーチン大統領も再選された後、北朝鮮の平壌に行く可能性が出てきているんですけども、北朝鮮のミサイルの近代化などにロシアが積極的に支援していく可能性もありますし、今度、北朝鮮とロシアが合同で日本海などで軍事演習をやるのではないかという見方も強まっています。今後ともに両国の関係がどの程度強まっていくのか、ウクライナ侵攻の副産物ということで、日本の安全保障にも大きな影響を与えますので、今後とも注目をしていく必要があると思います」

(3月17日放送『真相報道バンキシャ!』より)