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人工島周辺に米艦 中国の反応は?最新情報

2015年10月28日 18:13
人工島周辺に米艦 中国の反応は?最新情報

 中国が南シナ海で埋め立てを進めている問題で、アメリカのカーター国防長官は、中国が造った人工の島から12カイリ以内の海域に軍の艦船を派遣したことを公式に認め、今後も活動を続ける方針を示した。アメリカ軍の行動に対し、中国はどのような反応を示しているのか、中村光宏記者が解説する。

 中国は激しく反発しており、アメリカのイージス艦に対して海軍の艦船2隻が追跡し、警告を行った。さらに、アメリカの大使を呼び出し、「中国の主権と安全を脅かすひどい挑発だ」と抗議し、「強い不満と断固とした反対」を表明した。

 ただ、新聞のトーンは抑え気味で、習近平国家主席ら幹部らが出席する中国共産党の重要会議が26日から開かれており、米中関係に配慮しているという感じだ。

 今後、中国はどういった対応をするのか。

 南シナ海で進出を強める姿勢に変わりないだろう。9月に行われた米中首脳会談で、習近平主席は人工島を「軍事化する意図はない」と説明したが、オバマ大統領は納得できなかった。だからこそ、今回の「航行の自由作戦」の実行に踏み切ったと言える。しかし、アメリカも決定的な対立は避けたいと考えており、これ以上、具体的に打つ手は多くない。「海洋強国」を掲げる習近平政権にとって、南沙諸島は「沈まない空母」ともいえる譲れない戦略拠点だ。

 アメリカを過度に刺激することは避け、対話にオープンな姿勢も示しながら、人工の島の「既成事実化」を着々と進めていくことになりそうだ。