産経前ソウル支局長に無罪判決
韓国の朴槿恵大統領の名誉を傷つけたとして起訴された産経新聞の前ソウル支局長に対する裁判で、ソウル中央地裁は17日午後、前支局長に対し、「誹謗(ひぼう)中傷はなかった」として、無罪判決を言い渡した。
この裁判は産経新聞の加藤前ソウル支局長が韓国紙を引用する形で、去年4月の旅客船「セウォル号」の沈没事故の当日に、朴大統領が男性と会っていたとの噂があると報じ、大統領の名誉を傷つけた罪に問われているもの。
ソウル中央地裁は懲役1年6か月の求刑に対し、加藤前支局長に無罪判決を言い渡した。
午後2時から開かれた裁判の冒頭では、韓国の外務省が提出した「日本の外務省や関係者より『日韓関係改善の観点から善処を求められている』」との文章が読み上げられた後、検察側と被告側の主張について50ページの資料の読み上げが行われ、裁判が数時間にわたるなど異例の展開となった。
裁判では、大統領という公人の動静に関する報道で刑事責任を問われるのかどうかが最大の焦点だった。
加藤前支局長は裁判で、「記事は韓国の政治状況を解説するためのもので公益性があった」と述べ、無罪を主張してきた。