今年最後の会見で“テロと戦い抜く決意”
アメリカのオバマ大統領は18日、今年最後の記者会見を行い、残る任期もアメリカ主導でテロと戦い抜く決意を改めて強調した。アメリカ・ワシントンから近野宏明記者が報告する。
議会で少数与党となり、今年はいわゆる「レームダック」になるとみられたオバマ大統領だが、会見ではまず、今年の実績を自画自賛した。
「今年を振り返ると、この数年間の努力が、国民にとって大きく確実に実った年だと言える」-オバマ大統領は、好調な経済情勢やキューバとの国交回復などの、積み重ねた成果を挙げて、「今ほど、来たる年を楽観したことは無い」と述べる余裕すら見せた。
一方、カリフォルニア州での銃乱射事件などを受けて国民にテロへの不安が広がっていることを背景に、「最優先課題は国民の安全だ」と強調するのも忘れなかった。
オバマ大統領「我々の最も重要な務めは、アメリカ国民の安全を守ることだ。アメリカは、『イスラム国』打倒で有志連合を主導していく」
また混沌(こんとん)としたシリア情勢について、政権の対応が及び腰だとする野党共和党などの批判を念頭に、「傍観し何も言わないのはアメリカらしくない」と、テロと戦い抜く決意を強調した。
来年は大統領選挙が待ち構える。民主党の新しい大統領に自らの「遺産」を引き継ぐことを目指すオバマ大統領にとっては、自らの歴史的な評価を定める重要な年となる。