北朝鮮で祝賀イベント“正恩新体制”始まる
北朝鮮で36年ぶりに開かれていた朝鮮労働党大会が閉幕し、平壌では10日、祝賀行事が行われた。金正恩委員長の新しい体制が名実ともに始まることになる。
中心部の金日成広場では10日夜、若者らが踊りを披露したほか、たいまつを掲げて行進し、党のスローガンを形作った。祝賀行事は日中のパレードに続き、平壌入りしていた海外メディアすべてが取材を許され、36年ぶりに開かれた党大会を演出する集大成の場となった。
今回の党大会では、「労働党委員長」という新しいポストに就任した金委員長が党を重視する姿勢を打ち出し、軍を優先した父親の故・金正日総書記との違いを鮮明にした。
また、憲法よりも上位にあたる労働党の規約に、金委員長が掲げてきた核開発と経済発展を同時に進める「並進路線」が新たに盛り込まれた。
一方で、指導部の人事では予想されていたような大幅な若返りはなかった。国際社会から孤立し、経済的にも苦しい状況が続く中、変化よりも安定性を重視したとみられる。
華やかなイベントの熱狂の後、金委員長が求心力をどう保ち、国内外の問題に向き合っていくのか、真価が問われることになる。