伊・地震 築100年石造り多く被害拡大か
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イタリア中部で起きた地震で、5歳の女の子が約12時間ぶりにガレキの中から救出された。懸命の捜索が続く中、これまでに少なくとも247人の死亡が確認されている。現地のイタリア・アマトリーチェから伝える。
石造りの2階建てだった民家も、完全につぶれてしまっている。住んでいた2人が遺体で見つかり、まだ一人が生き埋めになっている可能性もあるという。
捜索は夜を徹して行われていて、現地時間25日午前10時現在も、緊急車両やレスキュー隊があわただしく動いている。
地元メディアによると、ここから約20キロ離れた町「ペスカーラ・デル・トロント」では、5歳の女の子がガレキの中から救出された。ガレキの中にいる女の子を見つけてから救出まで、実に12時間かかったということで、周囲では歓声があがった。女の子は病院で手当てを受けたが、大きなケガはなかったという。
アマトリーチェは避暑地として知られているが、週末に名物のパスタ祭りを控えていたため、普段よりも多くの人が集まっていた。中心部にあるホテルは満室だったということだが、まだ7人の遺体しか発見されておらず、今も70人が生き埋めになっている可能性があるという。
イタリアも日本と同様、地震が大変多い国。2009年には近くの町で約300人が死亡する地震があり、今回もすでに250回以上の余震を観測している。被災地では、石造りの築100年以上の建物が多いことから被害が拡大したものとみられている。
一方で地元メディアは、地震に関する対策が施されている建物はイタリア全土でも3割にとどまっていると指摘している。
地震発生から30時間余りが経過した今も、懸命な救助活動が続いている。