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北朝鮮 1月の核実験以降の経緯まとめ

2016年9月9日 12:55
北朝鮮 1月の核実験以降の経緯まとめ

 北朝鮮が今年1月に核実験を行ってから、9日までの経緯をまとめた。

 北朝鮮は、今年1月6日に豊渓里で水爆実験と主張する4回目の核実験を行った。その1か月後の2月7日には長距離弾道ミサイルの発射を強行。こうした北朝鮮の行動を受け、国連の安全保障理事会は3月に石炭や鉄鉱石など北朝鮮からの鉱物資源の原則輸入禁止などを柱とするこれまでで最も強力な制裁措置を採択した。

 北朝鮮はその後、3月から約2か月にわたって行われたアメリカと韓国の合同軍事演習に強く反発。3月15日には金正恩第1書記の「近いうちに核弾頭の爆発実験と核弾頭が搭載できる様々な種類の弾道ミサイルの発射実験を断行する」とする言葉が伝えられ、今後、核実験が行われる可能性を示唆していた。

 その後、矢継ぎ早に新型のロケット砲や弾道ミサイルの発射を行い、核兵器の起爆装置の模型とみられるものを公開するなどしてアメリカや韓国を威嚇し続けた北朝鮮。対決姿勢をエスカレートさせたまま5月に国家的な行事である朝鮮労働党大会を36年ぶりに開催した。党大会では金委員長のために新しい最高ポストが新設されるなど金正恩時代の本格的到来が印象づけられた。

 党大会後も北朝鮮とアメリカとの緊張関係は続き、アメリカは7月6日、人権侵害に関わったとして金正恩委員長を制裁対象に指定。これに北朝鮮は「公然たる宣戦布告だ」と激しく反発し「超強硬措置をとる」としていた。

 また7月にラオスでの国際会議に出席した北朝鮮の李容浩外相は、今後も核実験を行うかどうかについて報道陣に問われ、「アメリカの態度による」と述べた上で、核問題をめぐる6か国協議については、戻る考えがないことを示唆、強硬な姿勢を示していた。

 さらに7月8日には北朝鮮の脅威に対応するため弾道ミサイルを打ち落とすアメリカの最新式の迎撃ミサイル「THAAD」の在韓アメリカ軍への配備が正式決定。これに対し「制圧のための物理的な対応措置をとる」としていた北朝鮮は、スカッドミサイルなどとみられる弾道ミサイルを3発発射した。また先月24日は米韓合同軍事演習中に潜水艦発射弾道ミサイルを発射。今月5日も中距離弾道ミサイル「ノドン」と推定される弾道ミサイル3発を発射している。

 北朝鮮は、これまでおおむね3年か4年に1度、核実験を行っていたが、今回、核実験を行ったのであれば前回から8か月しかたっていない。異例の短期間に立て続けに核実験を行ったことになり、1年に2度の核実験は初めてのことになる。北朝鮮は前回の核実験の2時間後には「特別重大報道」と称する国営テレビの放送で実験の成功を主張していて、今回も国営メディアでなんらかの発表があるとみられる。

 北朝鮮は1月の核実験の実施以来、弾道ミサイルの発射を繰り返していて、日本の防衛省によると、今年に入ってから弾道ミサイルを21発発射し、挑発の度合いを高め続けていた。