国後島など管轄の露トップ、不正疑いで逮捕
北方領土の国後島などを事実上管轄しているロシア行政府のトップが、公共工事をめぐる不正の疑いで捜査当局に拘束された。
サハリン州の捜査当局は11日、国後島、色丹島、それに歯舞群島を事実上管轄する南クリル地区のソロムコ地区長を拘束したと発表した。
発表によると、ソロムコ氏は国後島の公共住宅の建設費として約2億2000万円を建設会社に支払ったが、その後、工事は始まっていないという。このため捜査当局は違法な支出の疑いがあるとみて、調べを進めている。
ソロムコ氏は、ビザなし交流の受け入れ側の責任者も務めていた。
北方領土では、今年4月にも色丹島にある水産加工場での給与の未払い問題をめぐって当局が捜査に乗り出している。極東開発に力をいれるロシア政府としては、不正に対して厳しい姿勢を示すことで、開発を着実に進めたい狙いがあるとみられる。