キューバのカストロ前議長が死去 90歳
キューバで1959年に社会主義革命を起こし、反米の象徴としておよそ半世紀にわたって長期政権を率いてきたフィデル・カストロ前国家評議会議長が25日に死去した。90歳だった。
後継者で弟のラウル・カストロ国家評議会議長によると、カストロ前議長は日本時間26日午後0時半ごろ死去したという。90歳だった。
ロイター通信によると、カストロ前議長は火葬された後、来月4日に埋葬されるという。また、キューバは9日間、喪に服する。
カストロ前議長は、1959年のキューバ革命で親米政権を打倒して社会主義国家を樹立。国家評議会議長に就任し、カリスマ的な反米指導者として、国際社会で存在感を示し続けてきた。
その後、2008年に健康問題を理由に議長を退任。2011年に政界を引退した。
議長職を引き継いだ弟のラウル氏のもと、キューバは去年アメリカと54年ぶりに国交を回復した。
今年3月、現職のアメリカ大統領として88年ぶりにキューバを訪れたオバマ大統領は、声明を出し、「我々は友好の手をキューバの人々にさしのべている」としたうえで、「この並外れた人物が人々と世界に与えた非常に大きな影響は歴史が判断するだろう」と述べた。
一方、東西冷戦下でキューバと深い関係にあったソ連のゴルバチョフ元大統領は、「アメリカによる厳しい封鎖や強力な圧力を受けながら、自らの国を強化した」と指導者としての能力を高く評価し、その死を悼んだと、インタファクス通信は伝えている。