大統領弾劾案 主流派からも多くの賛成票か
韓国・朴槿恵大統領の弾劾訴追案が、9日午後、国会で可決された。友人による国政介入疑惑で、朴大統領はついに職務の停止に追い込まれた。韓国・ソウルから藤田賢治記者が伝える。
朴大統領の弾劾訴追案は、9日午後3時からの国会の本会議で採決にかけられ、賛成234人、反対56人で可決された。
大統領の弾劾訴追案が可決されるのは、2004年以来、12年ぶり2度目。可決に必要な200票を得るには、与党セヌリ党から28人以上が賛成に回ることが必要だったが、結果としてはそれを大きく上回る62人が賛成したものとみられる。これは与党議員のほぼ半数にあたり、朴大統領に近い主流派からも多くの賛成票が投じられた模様。
9日に発表された世論調査では、弾劾賛成が81%にのぼるなど、市民の多くが強く弾劾を求める中、この民意に逆らうことは難しいと判断した議員が多かったものとみられる。
これで朴大統領の職務は停止され、今後は憲法裁判所が、大統領の罷免を認めるかどうか、最長180日間で判断を下す。
弾劾訴追案が可決した後、黄教安首相は「現在の厳しい状況で北朝鮮が挑発をおこなう可能性が高い」として、軍に警戒を強めるよう国防相に指示したという。