金正男氏殺害、実行役は現地で雇ったか
北朝鮮の金正男氏がマレーシアで殺害された事件で、韓国政府は北朝鮮の工作員が実行犯であるとの分析を示してきたが、韓国の北朝鮮専門家からは、異なる見方も出てきている。
■韓国の専門家の見方は-
韓国の情報機関・国家情報院は15日、金正恩委員長の指示のもと、北朝鮮の対外工作機関・偵察総局の工作員が殺害を決行したとの見方を示した。
ところが16日までに逮捕された女2人が、ベトナムとインドネシアのパスポートを持っていたということで、北朝鮮の工作活動に詳しい韓国の専門家は、実行役に関しては北朝鮮が現地で雇ったのではないかとの見方を示している。
その根拠として、パスポートが偽造である可能性もあるものの、徹底的な訓練を受けているはずの北朝鮮工作員の犯行にしては、タクシーで逃走するなどずさんな行動が目立つことが指摘されている。
韓国外務省は16日午後の会見で、「事件の調査結果について、マレーシア政府の公式発表を待っている」と述べるにとどめ、事件についての新たな分析については明言しなかった。
■北朝鮮の反応は-
北朝鮮は16日、故・金正日総書記の75回目の節目の誕生日を迎えている。現地時間の午前0時には、金委員長が、金総書記の遺体が安置されている北朝鮮・平壌の錦繍山(クムスサン)太陽宮殿を訪れた。
キャスター「敬愛する最高指導者は、偉大なる将軍様に最も敬虔(けいけん)な心で崇高なる敬意を表し、謹んでご挨拶をした」
一方で金委員長の発言は伝えられておらず、金正男氏がマレーシアで殺害されたことについても、北朝鮮の国営メディアは一切報じていない。