韓国パスポート所持の女拘束 金正男氏殺害
北朝鮮の金正恩委員長の異母兄弟にあたる金正男氏が殺害された事件で、韓国メディアはすでに逮捕されている女とは別に韓国のパスポートを持つ女の身柄を拘束したと伝えた。現地マレーシア・クアラルンプールから生野真吾記者が最新情報を伝える。
金正男氏の遺体が安置されているクアラルンプールの病院には、15日に引き続き16日も多くのメディアが詰めかけている。
金正男氏が殺害された事件で、韓国紙「東亜日報」など複数の韓国メディアは、マレーシア警察が、これまでに逮捕したドアン・ティ・フォン容疑者(28)とは別に韓国のパスポートを持つ女の身柄を拘束したと伝えた。この女について捜査当局の関係者は「韓国人に見えるが、調べには終始英語で応じている」と話したという。
■15日に逮捕された女についての情報は
現地メディアは、逮捕されているフォン容疑者が犯行の様子を詳しく供述していると伝えた。その内容によると、別の女性1人と旅行のためにマレーシアに来た、北朝鮮・ベトナム国籍の男性4人から乗客にいたずらしようという提案を受けた、接近して1人が顔にスプレーをばらまいて他の1人がハンカチで顔を覆えと言われたという。
女は、相手が正男氏だとは知らなかったとも話していて、工作員と言えるのかどうかわからない。その女は16日、裁判所に出向いて調べを受ける可能性があり、大勢の報道陣が集まっている。
■正男氏の遺体の状況は
病院で正男氏の遺体の司法解剖は15日に終わっている。警察は16日にも記者会見を開く予定で、死因などを明らかにする可能性もある。
■現地クアラルンプールでの北朝鮮大使館の様子は
一方、16日は故・金正日総書記の生誕記念日にあたる。クアラルンプールにある北朝鮮大使館でも記念行事が開かれるという。一方、金正男氏殺害のニュースを知らされているか、という問いに対しては、口をつぐんだまま誰も何もこたえなかった。
容疑者の逮捕や拘束が続いているが、事件の経緯はまだナゾが多く、捜査当局の徹底した捜査が続いている。