360度破壊された街…シリア激戦地を取材
シリア内戦最大の激戦地、北部のアレッポにNNNの記者が入った。アサド政権軍がアレッポ全土を制圧してから2か月あまり。街には深刻な爪痕が残されていた。
首都ダマスカスから車で約7時間。アレッポに入ると、その風景は一変した。アレッポの東部、アルシャール地区は、特に壊滅的な被害を受けた場所の一つ。何をどうすれば、ここまで街全体を破壊できるのか分からないほど、360度、破壊された建物、ガレキ、廃墟が広がっている。
原形をとどめて残っている建物は一つもない。どこからどうやってこの街を立て直すことができるのか。言葉が見つからない。それでも、アサド政権側がアレッポ全土を制圧してから2か月以上がたち、再建を目指す人の姿が徐々に戻っている。
住民の女性「(戦闘中は)怖かったけど、今は落ちつきました。この状況が続くよう祈ります」
ただ、取材中も戦闘機が飛び交い、たびたび砲撃の音が聞こえた。シリア内戦は今も続いている。アレッポ市内の情勢は比較的落ちつきを取り戻しつつあるが、再び不安定化しないという保証はない。戦争という人災に徹底的に破壊しつくされたアレッポ。その再建には途方もない年月がかかりそうだ。