北朝鮮では１５日、核実験などの挑発が警戒される中、金正恩委員長の祖父、故・金日成主席の生誕１０５年の記念日を迎える。首都・平壌では、金正恩委員長の権威を高める動きが進んでいる。現地から小林弘和記者が伝える。

　１４日に外国メディアが案内されたのは、故・金日成主席の生まれた家。軍関係者の口からは、金日成主席への敬意とともに金委員長を支えていくという言葉が聞かれた。

　その後に案内された芸術関連施設でも金委員長の権威を高める動きがみられた。金委員長を金日成主席に並ぶ指導者と位置づけようとしているのか、金日成主席と金委員長の写真が並べられていた。

　子供たちのコンサートでは、金委員長の写真がスクリーンに映し出された際、観客が立ち上がって拍手を送る光景が見られた。また、２月に発射された新型ミサイル「北極星２型」とみられる映像も登場した。圧力を強めるアメリカに屈しない姿勢を示す狙いがあるとみられる。

　北朝鮮は１５日の祝賀行事にあわせて閲兵式や軍事パレードを行う可能性がある。軍事力を内外に示し、今の体制が盤石であることをアピールするものとみられる。