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【解説】石破新内閣、苦渋のスタート? 早期の解散総選挙へ

2024年10月1日 19:47
【解説】石破新内閣、苦渋のスタート? 早期の解散総選挙へ

10月1日に発足する石破新内閣。日本テレビ政治部・官邸キャップの平本典昭記者が、3つの疑問について解説します。

1.岸田内閣総辞職…シメは○○
2.異例の解散宣言 舞台裏で何が
3.総選挙へ どう攻める?野党戦術

鈴江奈々キャスター
「岸田首相は10月1日が最後の日となりましたね」

政治部官邸キャップ 平本典昭記者
「岸田内閣は1日に最後の閣議を行いました。1094日続いた岸田政権も最終日になりましたが、岸田首相は昼ご飯をいつも執務室で秘書官と食べることが多いですが、最初にクイズです。最後の『シメご飯』は何だったと思いますか?」

鈴江キャスター
「総選挙も迫ってきているということで、げん担ぎでカツカレー」

平本記者
「カツカレーは総裁選でもげん担ぎで昼に食べている陣営が多かったですけれども、岸田首相は1日はシメということでみそラーメンを食べたそうです。あまり食べないメニューですが、秘書官の1人は『シメラーということなのかなぁ』と取材に話していたそうです」

平本記者
「取材しているといろんな変化を感じた1日でした。例えば石破首相はメガネを変えたそうです。同僚の議員からプレゼントされたものをつけたそうで、黒い縁がちょっと厚くなったメガネに変えていました」

「あとは、閣僚・党幹部をやめた人は、SPがいなくなりました。長年ついていたSPがいなくなったある議員の中には、いつも行き先をSPが指示してくれるので、それがいなくなって、国会内で1人ちょっと迷子になりそうな人も見たなどという取材情報もあがってきています」

「石破内閣、1日から本格的にスタートですけども、最初から苦しい展開となっています」

鈴江キャスター
「それが2つ目の疑問につながります。9月30日に石破首相は10月27日に解散総選挙を行いたいと表明しましたが、その舞台裏も苦しいものがあったということでしょうか?」

平本記者
「その裏側が取材で徐々に明らかになってきました。石破首相はもともと国会での議論を予算委員会を含めてしっかりやって、11月以降に解散という考えでしたが、党内の反発にあって10月に方針転換をしたとまでは9月30日にお伝えしました。この決断が苦渋の判断だったことが取材で浮かび上がってきました」

平本記者
「新しい執行部で解散時期をめぐる議論を行ったそうなんですが、石破首相が11月を主張した一方で、ほかの幹部のほとんどが10月を主張したそうです。10月主張の筆頭格は森山幹事長でした。最終的に石破首相は、党のNo.2の森山氏の決断を受け入れた形になります」

「そもそも、この解散権というのは首相の専権事項ともいわれますから、それなのに他の人の意見を聞いて押し切られたということには、自民党内からも『森山かいらい政権だ』などとやゆする声が出ています。石破首相は周辺に対して、『これ以上の苦渋の決断はなかった。私らしくない決断といわれても仕方ない』と苦しい胸のうちを語っています」

「これまで、石破氏のよさは『筋を通すところ』と言われてきただけに、筋を曲げたこの決断はらしくない決断だったという声が多く出ています」

鈴江キャスター
「総裁、そして首相になる石破氏が1番の権力者のはずなのですが、それを突っぱねるということができなかったのでしょうか?」

平本記者
「できなかった要因は、石破首相の政権運営の基盤が弱かったことだと思います。政権運営をするにあたって、決選投票で戦った高市氏の協力を得られなかった。最高顧問に起用はしたものの、麻生氏との関係もいいとは言えません。政権の基盤が弱いだけに党内で最大の後ろ盾といえる森山氏の意見を聞かざるを得なかった形だと言えそうです」

鈴江キャスター
「苦しい決断だったということですね」

鈴江キャスター
「3つ目の疑問、総選挙ではどうやって野党と対峙(たいじ)していくのか、その戦術というのは描けているのでしょうか?」

平本記者
「石破首相は4日に所信表明、7日、8日に代表質問。そして党首討論などを行って、9日に衆議院を解散する考えですが、野党側は1日からエンジン全開、批判のトーンを強めています。立憲民主党の小川幹事長は『石破新総裁に国民が期待したことは、まさに自民党を変えること。しかし、あなたは既に自民党によって変えられようとしているのではありませんか』と批判しています」

平本記者
「野党は主に2点で石破自民党を攻める戦略です。1つ目は『石破首相の政治姿勢』です。ある立憲幹部は『石破氏は首相になった途端に筋を曲げて議論から逃げた』と、別の立憲幹部は『古い自民党を批判して当選したのに既に古い自民党に取り込まれている』と批判しています」

「2つ目は『裏金問題』です。ある立憲幹部は『自民党総裁選でトップが変わっても自民党の本質は変わってない。裏金問題のケジメはついていない』と指摘しています。立憲民主党の野田代表は、裏金議員の選挙区はできるだけ候補者を一本化して対決したいとしています」

鈴江キャスター
「一方で野党側は、選挙ではどんな政策を訴えようとしているのでしょうか?」

平本記者
「政策がやはり気になりますよね。1つあげるとすると、立憲民主党が今言っているのは、物価高対策の柱として『消費税をめぐる給付つき税額控除』というものを打ち出す考えです。特に中低所得者層を対象に消費税を控除したり、課税額より控除額が大きいときには、その分を現金で給付するというのがこの制度です。こうした物価高対策は政策論争のポイントになってくると思います。政権スタートから短時間での選挙となりますが、石破首相が自民党の総裁選で得た期待というのを裏切らず応えていけるのか、苦しいスタートとなっています」

(10月1日午後5時55分頃放送 「news every.」より)

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