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【米大統領選まで1週間】ハリス氏vsトランプ氏、深まる分断…家庭内でも?

2024年10月29日 20:30
【米大統領選まで1週間】ハリス氏vsトランプ氏、深まる分断…家庭内でも?
アメリカ大統領選挙まであと1週間となりました。大接戦の選挙戦で、両候補の支持者の分断は深まっているといいます。近野宏明解説委員が伝えます。

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近野宏明・日本テレビ解説委員
「選挙戦は最終盤に入って大接戦、両候補の支持者の分断は深まっていて、それがいま、実は家庭内にまで広がっているというんです」

「27日に日本でも衆院選が終わったばかり。皆さん、もちろん投票に行かれたと思いますが、『自分が誰に投票したか』『どの党に一票を投じたのか』などについて、家族やパートナーなどと話しましたか?」

森圭介キャスター
「私は比較的、普段から話すのですが、妻が誰に入れたのかはわからないですね」

斎藤佑樹キャスター
「僕は地元が群馬県なのですが、選挙終わった後に、父親とどういう候補者が…という話はあったけど、事前に誰を支持とかあまり話さなかった」

鈴江奈々キャスター
「家族が誰に投票したのか…とか、日頃からどの党を支持しているか、みたいな議論はしないですね。政策や社会の課題については話したりしますが…」

近野解説委員
「人によっては『投票の秘密』は家庭内でも貫くよという人もいるでしょうし。家庭内で誰を、どの党を支持しているかは話さない人も結構いるのではと思います」

「アメリカだと友人や家族と政治の話題を結構フランクに話すのが普通だとされてきたのですが、今、日本よりももっと深刻な状態になっているんです。というのも、ハリス、トランプの両候補がお互いを激しく非難する状況になっていて、どっちを支持するかを家庭内でも表明することがままならない状況が生まれているそうなんですね」

鈴江キャスター
「対立が際だってきて、社会の緊張関係が家庭の中にも…というのは悲しいですね」

近野解説委員
「いまのアメリカの政治の状況はどうなっているのでしょうか。かつては民主・共和の2大政党といっても、政策的にも政治家一人一人をみても考え方に重なるところが大きかったんです。それが、共和党はどんどんトランプ色が濃くなり、民主党も人権や環境、格差問題などにかなり急進的な主張をする政治家が出てきて、両者の隔たりが大きくなった。だから家族といえども『え、あなたあっちを支持してるの? こっちじゃなかったの?』といらぬ分断を招きかねないということなんです」

近野解説委員
「アメリカ政治・社会に詳しい同志社大学大学院の三牧聖子准教授によると、『誰が好きということも今のアメリカでは言いづらい雰囲気』で、特に若い層では『自分と友達が支持する候補が異なるとわかった瞬間に友達やめるとか、そういう状況』だと。さらに『家族は関係をやめるわけにいかないのでなおさら』とも話しています」

瀧口麻衣アナウンサー
「『お父さん、そっちを支持するの!?信じられない!』とギクシャクしながら一緒に暮らすのはつらいから、言わない方がいいとなっちゃうわけですね」

近野解説委員
「そういうことのようです。その状況が何を生むかというと、前回、前々回の選挙では、世論調査に出てこない『隠れトランプ支持者』が結構いたとされてますが、今回の選挙に関しては『隠れハリス』も結構いるのではないかという見方があるんです」

「世論調査に出てこない数字が双方どれぐらいあるのかも、ちょっとまだわからない。よって、私は解説委員なのですが、1週間先の結果がどっちになるか、まだまだわからない。断言できずすみません」

森キャスター
「無党派層の獲得、なんて言われていますが、無党派層と『隠れトランプ』『隠れハリス』がいるから、余計にわからなくなっている、ということなんですね」

近野解説委員
「まだ結果は見通せないけど、日本への影響どうなるのか。日本政府関係者など大方の見方はどちらが勝っても、日米関係には問題は生じないだろうとしながらも、ハリス氏が当選した場合はこれまで4年間のバイデン政権の方向性が概ね継承されるでしょうから、現時点ではあまり影響はないとみられています」

「一方、トランプ氏で気になるのは、アメリカが輸入する物品にかかる関税の引き上げです。日本を含む各国からアメリカに輸入される品々に10%~20%の関税をかけるんだと。しかもトランプ氏は円安ドル高によって安く日本製品が輸入できていることでアメリカの製造業がダメージを受けていると認識しているので、アメリカの国益を守るために円高に誘導する可能性があります。これは日本の輸出産業には非常に大きな影響をもたらします」

「さらにトランプ氏は特に、中国をターゲットに60%もの関税をかけることも打ち出しています。これらが現実になると、アメリカではいずれ物の値段は上がり、景気は冷え込む、それがまた日本を含む世界経済にも悪い影響を与えるという懸念も広がっています」

(10月29日放送『news every.』より)

最終更新日:2024年10月31日 10:31