習主席の出身大学でも…中国各地で“ゼロコロナ”抗議デモ 締め付け強化…スマホのチェックに市民は
中国のゼロコロナ政策に抗議するデモをめぐり、警察当局が取り締まりを強化しています。上海では、SNSを通じてデモが広がるのを警戒し、スマートフォンの中身をチェックする場面も見られました。
◇
各地で爆発する住民の怒りを、中国政府はおさめることができるのでしょうか。
自宅や学校が封鎖され、長い間、閉じ込められるなどした人々の不満が一気に噴出しています。中国・広州では、防護服を着た警察隊が全身を盾で覆いながら制圧に向かう様子も見られました。
29日、山東省では封鎖の解除を求める住民と警察隊が対立。首都・北京では29日夜、警察車両がずらりと並び、「特警」と書かれた機動隊の大きな車両も配備されるなど、物々しい雰囲気が漂っていました。この周辺では、28日未明にかけて大規模な抗議活動が勃発したため、警戒を強めていたのです。
上海では異様な光景も見られました。
Twitterに投稿された動画には、地下鉄の車内で警察官らが、市民のスマートフォンの中身をチェックする様子が…。街中でも、写真を撮っていた市民の首からかけられたスマートフォンの中身をチェックしていました。
「全部削除したよ! 全部削除したじゃないか!」
警察はデモ隊が連絡手段とするTwitterなどのアプリを入れていないか、厳しくチェックしているといいます。
◇
「共産党! 降りろ! 習近平! 辞めろ!」
中国では“あり得ない”とされる、政権を堂々と批判するデモも繰り広げられるようになっています。中国国営メディアは29日、司法や警察を統括する部門のトップが「敵対勢力の断固たる取り締まり」を指示したと伝えました。
一方、新型コロナ対策の責任者は、ゼロコロナ政策を続ける方針を示しつつも、過度な対策を控える姿勢も強調しました。人々の不満をしずめるためなのでしょうか。
◇
27日、習近平国家主席の出身大学、北京の清華大学でも学生たちが抗議しました。
「逮捕を恐れて声をあげなければ、間違いなく絶望する」
30日、大学に行ってみると、帰省する学生を送り出すため、大学が、空港や駅などへ向かう無料のシャトルバスを運行していました。
“感染対策のため公共交通機関を使わずに帰省できるようにした”と説明していますが、実家に帰省させ、大学で再び抗議活動が起きないよう防ぐ狙いもあるとみられます。