文学賞決定のイシグロ氏「素晴らしい名誉」
今年のノーベル文学賞が5日に発表され、日系イギリス人作家、カズオ・イシグロさんの受賞が決まった。期待された村上春樹さんの受賞はならなかった。
イシグロさんは62歳で、日本の長崎県で生まれ、5歳の時に家族とイギリスに移住した。
1989年に発表した代表作の「日の名残り」はイギリスで最も権威のある文学賞「ブッカー賞」を受賞し、映画化もされている。また、2005年の「私を離さないで」は、日本でもドラマ化されている。
イシグロさんの作品は、注意深く抑制された表現方法が特徴とされていて、スウェーデンアカデミーは受賞理由について、「力強い感情の小説により、私たちが世界とつながっているという幻想に隠されている深い闇を明らかにした」としている。
イシグロさんはイギリスのBBCに対し、「受賞は私が偉大な作家たちとつながっていることを意味するので、素晴らしい名誉です」「世界は非常に不確実な状況にあるので、ノーベル賞がプラスの力を与えることを願っています」とコメントしている。