×

金委員長の訪中“シンガポールへのリハか”

2018年5月11日 1:49

北朝鮮をたびたび訪問し、長年にわたってアメリカや北朝鮮の専門家らによる非公式会議を主催してきたスウェーデンの研究機関の所長が、9日、日本テレビの単独インタビューに答え、金正恩委員長が中国に飛行機で行ったのは、シンガポールへのリハーサルの可能性があると述べた。

インタビューに応じたのは、スウェーデンのシンクタンク・安全保障開発政策研究所(ISDP)のスワンストローム所長。北朝鮮と太いパイプを持ち、北朝鮮の専門家が参加する国際的な非公式協議を数多く開催してきた。

スワンストローム所長「(金正恩委員長の飛行機での大連訪問は)シンガポール行きのリハーサルの可能性がある。北朝鮮の最高指導者が飛行機で(海外に)行くのは初めてになるので、困難があった場合、実務的にどう対処するか見る機会だった」

一方、米朝首脳会談については、双方の意見の違いから困難もあるとの見方を示した。

スワンストローム所長「米朝首脳会談に向け困難はかなりある。非核化をいつ始めいつ終了させるかなどだ。北朝鮮は時間に余裕が欲しい。しかしアメリカは、核開発の早急な打ち切りを求めている。トランプ大統領の言葉を借りれば『史上最高の合意になる』と思うが、素晴らしい合意の実践には大きな困難が伴うという懸念がある」

そして、金正恩委員長が今週、中国をふたたび電撃訪問した背景には、北朝鮮が主張する段階的な非核化について、中国の支持を得る目的があったとの見方を示した。

スワンストローム所長「金委員長は中国との関係を非常に大切にしていて、中国には譲歩する意思があると示した。これはアメリカにとって好ましくないかもしれない」

スワンストローム氏は、北朝鮮とはあくまでも対話を続けることが重要で、多くの犠牲を伴う軍事衝突が最悪のシナリオだと強調した。