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米駐日大使「米への投資」精力的に呼びかけ

2018年5月19日 19:18

アメリカのトランプ大統領が厚い信頼を寄せる駐日大使のハガティ氏は、就任9か月になる。ビジネスの経験をいかしアメリカへの投資を精力的に呼び込んでいる。その現場を取材した。

19日朝、ハガティ大使が訪れたのは静岡県下田市。幕末の「開国」を記念する行事「黒船祭」に参加した。

ハガティ大使「ここ下田は、日米の友好の強力なシンボルだ」

トランプ大統領の政権移行チームで人事を担当したハガティ大使。ビジネスマンとして日本で暮らした経験もあり、大統領が厚い信頼を寄せる人物。

ハガティ大使「いまの日米の友情は私が1980年代に日本にいたときよりはるかに強い。こういう人と人とのつながりがますます日米の関係を深めている」

こうした地方の公務でも大使が常に意識するテーマがある。それは「アメリカへの投資」。

大使はいま、アメリカに進出する日本の企業を増やし、アメリカへの「直接投資」を増加させるために精力的に動いている。

ハガティ大使「知事!ようこそ日本へ」

この日、大使公邸を訪れたのはケンタッキー州の知事。

ケンタッキー州・ベビン州知事「ケンタッキー州の500以上の外国企業のうち、40%200社以上は日本の企業だ」

ハガティ大使「まださらなる日本からの“直接投資”のチャンスがある」

大使は多くの州知事に、直接手紙を送って日本に招待。日本の企業にアピールをするよう呼びかけている。さらに地方視察でも、日本の企業・自治体関係者らと積極的に会い、アメリカへの投資を勧める。

ハガティ大使「トランプ大統領からの指示は『投資するならアメリカへの投資が一番だ』と日本に伝わるよう努力せよということ」

私たちは実際に去年、アメリカ進出を決めた企業を訪ねた。食品やサプリメントなどのパッケージを生産する企業「タキガワ・コーポレーション」は現在、ケンタッキー州にアメリカ初の工場を建設中。アメリカ進出を考える企業に、ベストな州をマッチングする制度などを使いケンタッキーを選んだ。

タキガワ・コーポレーション・アメリカ、山村研輔CEO「土地の値段を『通常の半額にします』とか、ある候補地では『無料で』と。誘致に積極的というのがどこの自治体に行っても理解できた」

企業減税に積極的なトランプ政権。日本からアメリカへの直接投資は大きく増加している。

ベビン州知事「(大使とは)貿易に関する幅広いテーマを話すが、全てはビジネスにつながる。彼はまさにビジネスマンだね」

ハガティ大使「アメリカの州知事と日本の県知事、そして投資を判断する企業との間でもっと交流が必要だ。州知事には『日本は人間関係を非常に大切にする』のだと伝えている」

大使自らが仕掛ける「ビジネス」。その取り組みは、さらなる投資拡大の後押しとなるのだろうか。