「天安門事件」から29年 再調査を訴える
中国・北京で民主化運動が武力で鎮圧され、多数の死傷者を出した「天安門事件」から、4日で29年がたった。香港や台湾では4日夜、追悼集会が開かれ、参加者は中国共産党を批判し、事件の再調査を訴えた。
4日夜、香港では市民団体が追悼集会を開き、主催者発表で、11万5000人が参加したという。参加者は「血に染まった事件の真相を明らかにせよ」などと訴え、中国共産党の対応を批判した。
「天安門事件」は1989年に中国で民主化を求める学生らが武力で鎮圧され、多くの犠牲者が出たもの。中国当局の発表では事件の死亡者は319人とされているが、もっと多くの犠牲者が出ていたなどと指摘されていて、29年たった今も全体像は不明なままとなっている。
追悼集会では、天安門事件に参加した民主活動家・劉暁波氏が去年、死亡した後も、妻・劉霞さんが軟禁状態にあるとして、解放を求める声が上がった。
一方、台湾でも追悼集会が開かれ、100人ほどが参加した。台湾の蔡英文総統は「中国が天安門事件を国による暴力だったと認めれば、事件の不幸な歴史は、中国の民主化への礎となる」とのメッセージを出し、中国での民主化の進展に期待する考えを示した。