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米朝首脳会談「完全な非核化」具体策なし

2018年6月13日 7:49

史上初の米朝首脳会談が12日、シンガポールで行われ、両首脳が共同声明に署名した。北朝鮮が「完全な非核化」に取り組むことが記されたが、具体策は一切、盛り込まれなかった。

トランプ大統領と金正恩委員長の会談は「1対1」の形式からスタートし、昼食会まで約3時間半続いた。その後、両首脳は「共同声明」に署名し、「重要な文書だ」とその意義を強調した。

トランプ大統領「とても重要な文書にこれから署名する」

金委員長「本日、過去を乗り越え、歴史的な文書に署名する。世界は重大な変化を見届けることになる」

共同声明では、アメリカが北朝鮮に「体制保証」を与えると約束し、北朝鮮は「完全な非核化」に取り組むことが記された。しかし、最大の焦点だった非核化の進め方や期限について、具体策は一切、盛り込まれなかった。

トランプ大統領「滞在は1日で時間が足りなかった。これからプロセスが始まるのだ」「金委員長は帰国次第すぐに非核化のプロセスを進めようとしている」「(ただ)完全な非核化には時間がかかる」

会見でトランプ大統領はこのように述べた上で、非核化が進むまでは、制裁は維持する方針を改めて示した。また、金委員長に対し、日本の拉致問題を提起したと明らかにした。一方、トランプ大統領は米韓の合同軍事演習について中止を検討する考えを示した。

トランプ大統領「交渉がうまくいく場合、我々は米韓合同軍事演習をやめることになる」

トランプ大統領は会見直後に帰国の途についたが、金委員長はしばらく滞在先のホテルで過ごし、12日夜遅くになって平壌へと向かった。