アメリカの国務省は31日、ロシアとの間で核軍縮を進める新START（＝新戦略兵器削減条約）について、ロシア側が査察を拒むなどして条約に違反していると非難しました。

新STARTはアメリカとロシアの間で、戦略核弾頭や大陸間弾道ミサイルなどの数を制限することを定めた条約です。

国務省の報道官は先月31日、声明で、ロシアがアメリカからの査察を受け入れず、定められた年2回の米露の協議も行わないなど「条約の義務を守っていない」と非難しました。こうしたロシアの態度が「米露の核軍備管理の実現可能性を脅かしている」として査察の受け入れなどを再開するよう求めています。

2011年に発効した条約をめぐり、アメリカがロシアの条約違反を非難するのは初めてです。

国務省は議会に提出した報告の中で、査察が行われないことで、ロシアが核弾頭の数の制限を守っているかを確認することが難しくなると指摘しています。