英国、EU「合意なし」離脱で起こることは
イギリスがEU(=ヨーロッパ連合)から離脱するまで29日で残り半年となったが、離脱交渉は依然、難航したまま。交渉が決裂して「合意なし」で離脱すれば何が起きるのか、亀甲記者が報告。
◇
イギリス南部の港・ドーバー。海の向こうにフランスを肉眼でも確認できる、まさにヨーロッパとの玄関口だが、ここで今、深刻な問題が持ち上がっている。
一向に歩み寄る気配を見せないイギリスとEUは、「合意なし」で離脱することも視野に入れ始めている。
イギリス・メイ首相「イギリスは、合意なしでの離脱への準備を進める」
◇
強気のメイ首相だが、ドーバーを通過するトラックは毎日およそ7000台。「合意なし」で離脱すれば、現在必要のない通関チェックが新たに発生し、順番待ちのトラックの行列は20キロ以上にも及ぶとみられている。
物流は止まり、自動車工場の生産がストップしたり、薬など必要なモノが手に入らなかったりして、市民生活が混乱することも懸念されている。
来月のEU首脳会議で両者が一定の合意に達しなければ、このシナリオが現実となってしまう。
EUとの離脱交渉をまとめ、新しいイギリスとして無事に船出することができるのか。これから1か月が、イギリスの将来を左右することになる。